〇 ポメラニアンの「理想の姿」とスタンダード(犬種標準)
世界には700~800の犬種がいるといわれています。そのうちの352犬種(2020年3月現在)については、ベルギーに本部をおく「国際畜犬連盟」(仏語でFédération Cynologique Internationale, 略称FCI)により、それぞれの犬種の純血種としての繁殖指針が定められています。この指針を「スタンダード(犬種規準)」とよび、各犬種の「理想像(理想の姿)」を文章で書き表しています。日本では、一般社団法人ジャパン・ケネル・クラブ(JKC)において約200犬種が登録されています。
ドッグショーでは、このスタンダードに基づいた厳正な審査がおこなわれ、より理想像に近い個体を選出します。ある一定の基準を満たした個体には、チャンピオン・タイトル等の称号が与えられ、次世代の純血種を作出するのにより適した個体(「ブリーディング・ストック」とよばれる)とみなされます。
※スタンダードはあくまでも各犬種の理想像です。よってこれらの事項から外れることがあっても、
その犬種として、家庭の良き伴侶として飼育されることに問題はありません。
〇 クレイン・ケイがめざす ポメラニアンの”スタンダード”(理想像)
クレイン・ケイでは、FCIの定めるスタンダードに準じた 健康で健全な「理想のポメラニアン」の作出をめざし、国内外のドッグショーでの審査を通過したチャンピオン犬とその血統犬のみをもちいた計画的なブリーディングを行っています。
初代基礎犬のインターナショナル・ビュティ―・チャンピオンのルナとアポロを礎に10数年がたち、わたしたちのポメラニアンは、初代基礎犬たちの良い所を残しつつ、さらにグレードアップのための改良を重ねてきました。
しかし、
犬質の向上は一日にしてならず。私達の挑戦はまだまだ続きます!
現在のポメラニアンのスタンダード(犬種標準)は、国際畜犬連盟(FCI)により2019年11月に改正され、それに伴い、日本でもJKCによって2021年1月1日から改正された犬種標準が採用されています。
わたしたちクレイン・ケイもこのスタンダードをより深く理解し、次のステップを目指したブリーディングに挑戦していきます。
【参考】 改正されたポメラニアンの犬種標準(JKC 2020年1月1日改正)
以下の記述は、JKCが発表した改正犬種標準(ポメラニアン)より引用した記述です。
詳しくは、JKCホームページ-重要なお知らせ-犬種標準の改正について (2021 年1月1 日時点)をご覧下さい。
原産地 | ドイツ |
用途 | 番犬及びコンパニオン・ドッグ |
FCI分類 | グループ5 スピッツ&プリミティブ・タイプ セクション4 ヨーロピアン・スピッツ ワーキング・トライアル非対象犬種 |
沿革 | ジャーマン・スピッツは石器時代の「Peat Dog(Torfund)」、 「 Canis familiaris palustris Rüthimeyer」及び後の「Lake Dwelling Spitz(Pfahlbauspitz)」の子 孫である。中欧に於ける最も古い犬種である。 多くの他犬種がこの犬種から発展し ていった。 ドイツ語を話さない国々では、トイ・スピッツはポメラニアンとして知られている |
一般外貌 | スピッツ犬種は豊富な下毛により生ずる美しい被毛で人々を魅了する。 特に印象的 なのは、丈夫で、たてがみのような頸回りのカラー(ラフ)及び 背上に堂々と掲げ る毛量豊富な尾である。用心深い目を持つフォクシー・ヘッドと、 小さな尖った耳 と耳間が狭いのがスピッツ独特の特徴で、勝気な風貌を醸しだしている。 |
重要な 比率 | 体高と体長の比率は1:1である。 マズルの長さとスカルの長さの比率は約2:4 である |
習性 /性格 | 常に注意深く、活発で、主人への忠誠心が非常に強い。 たいへん学習能力が高く、 訓練しやすい。その気さくさと明るい性格から、 理想的なコンパニオン・ドッグ及 びファミリー・ドッグであり、家庭での 理想的な番犬である。臆病でも攻撃的でも ない。天候に関わらず、頑健で 長寿なことがこの犬種の最も優れた特性である |
頭部 | □頭蓋部:上望すると、頭部は中型サイズで、後頭部が最も幅広く、鼻先に向かって 楔形で、 除々に先細っている。ストップほどよく明瞭であるが、決して急ではない。 □顔 部 ・鼻:丸く、小さく、ピュア・ブラックである。毛色がブラウンの犬の鼻の色は ダーク・ ブラウンである。 ・マズル長すぎず、スカルと望ましい比率を保つ(約2:4の比率)。 ・唇:誇張されておらず、顎にぴったりと付き、口角には全く皺がない。 色は完全なブ ラックである。毛色がブラウンの犬の唇の色はブラウンである。 ・顎/歯:顎は正常に発達し、42 本の歯を伴う完全なシザーズ・バイトである。 即 ち、上切 歯は下切歯に密接に重なり、顎に対し垂直に生えている。 丈夫な犬歯は互いに完 全に収まっている。若干の前臼歯の欠歯は許容される。 ピンサー・バイトは許容 される。 ・頬:ゆるやかに丸みを帯びており、突出していない。 □目:中位の大きさで、アーモンド型で、僅かに傾斜し、ダークである。 瞼はブラック である。毛色がブラウンの犬の瞼の色はダーク・ブラウンである。 □耳:小さく、耳付きは高く、耳間は比較的狭く、三角形で尖っている。 常に直立した状態を保ち、先端はぴんとしている。 |
頸 | 中位の長さで、肩に幅広く付いており、僅かにアーチし、デューラップは無い。 厚く豊富な被毛で覆われ、大きなラフを形成している。 |
ボディ | □トップライン:なだらかなカーブを描いて、短く真っ直ぐな背に連なる。 部分的に背を覆うふさ ふさした尾は丸みのあるシルエットを形成している。 □キ甲:高いキ甲は背に向かって僅かに下降する。 □背:できるだけ短く、真っ直ぐで、堅固である。 □腰:短く、幅広で、頑丈である。 □尻:幅広で、短く、傾斜していない。 □胸:深い胸はよく張っており、前胸はよく発達している。 □アンダーライン及び腹部:胸部はできるだけ後方に伸び、腹部はごく僅かに 巻き上がっている。 |
尾 | 尾付きは高く、中位の長さである。上方に伸び、尾の根元から真っ直ぐに背上に 向かってカーブしている。背上にしっかりと背負い、非常に豊富な毛で覆われている。 尾先の二重巻きは許容される。 |
四肢 | □前 躯(フォアクォーターズ) ・一般外貌:真っ直ぐで、フロントは比較的幅広で、よく発達した強固な骨である。 ・肩:筋肉質で、胸にしっかりと接合している。肩甲骨は長くよくレイバックしている。 ・上腕:肩甲骨とほぼ同じ長さで、肩甲骨に対し 90 度の角度を成す。 ・肘:関節は強く、胸に密接しており、内外向しない。 ・前腕:ボディに比例した中位の長さで、頑丈で、完全に真っ直ぐである。 前腕の後ろ側 は十分な飾り毛がある。 ・中手(パスターン):頑丈で、中位の長さで、垂直線に対し 20度の角度を成す。 ・前足:できるだけ小さく、丸く、緊握しており、よくアーチした引き締まった爪を 持つ 猫足である。爪とパッドの色はできるだけダークである。 □後 躯(ハインドクォーターズ) ・一般外貌:非常に筋肉質で、飛節まで豊富な飾り毛で覆われている。 後肢は真っ直ぐで、平 行である。 ・大腿及び下腿: 大腿及び下腿はほぼ同じ長さである。 ・ 膝:関節は強く、ごくわずかな角度があり、歩様時に内外向しない。 ・飛節:中位の長さで、非常に頑丈で、地面に対し垂直である。 ・後足:できるだけ小さく、丸く、緊握しており、よくアーチした引き締まった爪を 持つ 猫足である。パッドは粗い。爪とパッドの色はできるだけダークである。 |
歩様 | 十分な推進力で真っ直ぐに進み、流れるような弾力のある歩様である。 |
皮膚 | ボディに密着し、皺はない。 |
被毛 | □毛:ダブル・コートである。長く、真っ直ぐで、しっかりと開立した上毛と、短く、 厚く、綿のような下毛がある。 ・頭部、耳、前肢・後肢の前面及び足は短く厚い(ベルベットのような)毛で覆わ れている。 ・ボディの他の部分は長くリッチでヘアリーな被毛である。ウェービー でもカーリー でもシャギー(むく毛)でもなく、背に沿って分かれてもいない。 ・頸及び肩は厚いたてがみ(メーン)で覆われている。 ・前肢の後ろ側は十分な飾り 毛があり、後肢は尻から飛節にかけて豊富な飾り毛がある。 ・尾はふさふさしてい る。 ・毛は作られたもののように見えてはならない。 □毛 色(カラー):ホワイト、ブラック、ブラウン、オレンジ、グレーの色調、 その他の毛色。 ・ホワイト:被毛はピュア・ホワイトである。特にしばしば耳に見られる若干の イエローの線 は許容される。 ・ブラック:ブラックの下毛とブラックの皮膚でなければならない。上毛の色は ホワイトや他の色のマーキングの全くない光沢のあるブラックでなければならない。 ・ブラウン:均一なダーク・ブラウンである。 ・ オレンジ:均一な中間色のオレンジである。胸、尾及びトラウザーでオレンジの 毛色がより 明るくなっているものは許容される。 ・グレーの色調:毛先がブラックのシルバー・グレーである。マズル及び耳の毛色は ダークで、目 の周りの「スペクタクル(眼鏡)」が明瞭であり、目尻から耳の付け 根まで鉛筆 で繊細に描いたようなブラックのラインと、明瞭なマーキングとシェー ディング により形成される短いが表情豊かな眉毛が相まって形成されている。 たてがみ (メーン)と肩のリングはより明るい。前肢の肘または後肢の膝の下は、 指のわ ずかな線を除き、如何なるブラックのマーキングも見られないシルバー・ グレー である。尾の先端はブラックで、尾の下側とトラウザーは薄いシルバー・ グレー である。 ・その他の毛色:クリーム、クリーム・セーブル、オレンジ・セーブル、 ブラック・アンド・タン 及びパーティカラー。パーティカラーの犬の地色は常に ホワイトでなければなら ない。斑はブラック、ブラウン、グレーの色調、オレンジ、 オレンジ・セーブル、 クリームまたはクリーム・セーブルのいずれかの 均一な単色でなければならない。 斑はボディ全体に分布しているのが望ましい。 |
サイズ | □体 高 : 21cm ± 3cm □体 重: サイズに相応しい体重である。 |
欠点 | 上記の点からのいかなる逸脱も欠点とみなされ、その欠点の重大さは逸脱の程度及び 犬の健康並びに福利への影響に比例するものとする。 |
重大欠点 | ・体躯構成に欠点があるもの。 ・平坦すぎる頭部。 ・顕著なアップル・ヘッド。 ・肉色の鼻、瞼及び唇。 ・歯列に欠点があるもの、欠歯があるもの。 ・大きすぎる目、明るすぎる目。 ・突出している目。 ・グレーの色調の犬に於いて、顔部に明瞭なマーキングが無いもの。 ・歩様に欠点があるもの。 |
失格 | ・攻撃的または過度のシャイ。 ・肉体的または行動的に明らかに異常なもの。 ・泉門にすき間があるもの。 ・オーバーショット、アンダーショット、クロスバイト。 ・エクトローピオンまたはエントローピオン。 ・完全に立っていない耳。 ・ホワイトでない全ての犬に於いて、明瞭なホワイトのマーキングまたは小斑が あ るもの。 ・「毛色」に記載されている以外の毛色。 注: ・牡犬は明らかに正常な2つの睾丸が陰嚢内に完全に下降していること。 ・機能的かつ臨床的に健全であり、犬種のタイプを有しているもののみが 繁殖 に使用されるべきである。 |